こんにちは!ラーニングエッジの水野です。
皆さんは、自分以外の人と「同じ文章を読んで、感想を言い合う」という経験をしたことはありますか?
こういった経験があると、全く同じ文章に対しての感想であるはずなのに、人によって全然違う受け取り方をしていることに驚くこともあるかと思います。
これは、誰が正しくて、誰が間違っているということではありません。
「感想」というのは、その人の「価値観」や「経験」を元に作られます。
あなたと全く同じ人生を歩んでいる人がいないように、あなたと全く同じ価値観を持っている人はいないのです。
大切なのは、自分とは違う価値観を持っている人のことを否定したり拒絶するのではなく、その人の良いところを探し、お互いに認め合うことです。
ラーニングエッジの「社内木鶏会」
ラーニングエッジでは、社員同士でお互いの価値観を知り、認め合うことで、自分の視野を広げて価値観を豊かにするための取り組みがあります。
それが、月に1回開催される「社内木鶏(もっけい)会」という時間です。
社内木鶏会では、参加するすべての社員が、あらかじめ「致知(ちち)」という雑誌の記事を読んで、その感想文を持ち寄ります。
そして、3~4人ずつのグループに分かれて、その感想文を発表し合います。
感想文を発表したあとは、同じグループの社員に対して、相手が持っている価値観や哲学の「どんなところが素晴らしいと感じたか」を話し合います。
ここでは、相手の意見を批判したり、自分の意見をぶつけたりといったことはしません。
「美点凝視」と言って、相手の美点、つまり「良いところ」に着目して話すのです。
実際に初めてやってみるとわかるのですが、「相手の長所に目を向ける」ことは、その人に対して関心を持って、自分から知ろうとする働きかけがないと、結構難しいものです。
裏を返せば、美点凝視を行うことで相手に関心を持って理解することができるようになります。
同じ記事を共有し、自分なりの感想文を書いて持ち寄り、他の社員の感想文を聞いて良いところを認め合う…
この時間を過ごすことで、自分が今まで持っていなかった意見を知って視野を広げることができたり、普段ともに働いている同僚がどんな価値観を持っていて何を大切にしているかを知ることができるのです。
そうして、社員同士で「人間力」を高め合うとともに、お互いをよりよく理解して結束を強めることが社内木鶏会の目的です。
「木鶏会」の由来
ところで、「木鶏(もっけい)」って何なのでしょうか。
「デジタル大辞泉」には以下のようにあります。
もっ‐けい〔モク‐〕【木鶏】…少しも動じない最強の闘鶏。また、強さを秘め、敵に対してまったく動じないことのたとえ。
(引用:コトバンク)
元々は中国の故事成語から来ており、まるで木彫りの鶏のように、周囲から威嚇されるようなことがあっても全く動じず落ち着いていることから転じて、「道を体得した人物」という意味合いを持つ言葉であるようです。
人間力を高め、木鶏のようにどっしりと構えられる人になれ、ということでしょうか。
社員の自主的な活動ではなく全社的なイベントであること
「木鶏会」を、社員の自主的な活動ではなく、会社の研修として実施している例は、全国で行われてはいるものの、決してありふれたものではありません。
日々の業務を一緒に進めている関係であっても、お互いの価値観や大切にしているものについて知る機会というのはほとんどないものです。
ラーニングエッジでは、単に仕事のスキルがある、知識や能力があるということだけでなく、人間的に成熟していて魅力的であることをとても重視しています。
そういった、人の内面を育てる時間として、社内木鶏会はとても貴重な意味を持っているのです。